日本風力開発を買収し完全子会社化したインフロニア・ホールディングス(HD)の岐部一誠社長が電気新聞の取材に応じ、日本風力開発に対して2030年度までに営業利益250億円以上を求める考えを示した。インフロニアグループ全体の4分の1を占める割合となる見込み。岐部社長は、「今の開発計画を着実に進めることができれば、十分に可能だ」との見解を述べた。

 インフロニアHDは昨年12月に、日本風力開発の買収を表明。買収資金として2184億円を借り入れ、1月31日に株式取得を完了させて完全子会社化した。

 インフロニアHDが掲げる中長期経営計画では、30年度にグループ全体で営業利益1千億円以上を目指している。このうちの半分となる500億円を再生可能エネルギー事業を含む「インフラ運営セグメント」で稼ぐ方針。さらに、その半分となる250億円を「日本風力開発に期待し、エールを送っている」と明かした。

 日本風力開発は、これまでに国内外で293基、総発電容量57万キロワットの風力発電所を開発。現在はリプレース案件を含め約380万キロワットのプロジェクトを進めている。ただし、洋上風力発電事業を巡る汚職事件を受けて、前社長が贈賄罪で在宅起訴された経緯がある。

 信頼回復に向けて、インフロニアHDの岐部社長は「ガバナンスがしっかり効いた会社であると認識してもらえるよう、一生懸命やっていくことが第一歩だ」と説明する。新たな経営体制やシナジーの創出に向けた取り組みについては、株式取得完了後から本格的な議論を開始。日本風力開発の社名変更は、「今のところ考えていない」と否定した。

電気新聞2024年2月5日