電気器具類が発火源となった住宅火災は増加傾向にある

 家電製品や充電式電池、配線など電気器具類を発火源とする住宅火災が増えている。消防庁によると、2021年には全住宅火災の約2割を占め、発火源別の火災件数で最多となった。需要側の電化がカーボンニュートラルのシナリオとして各方面で注目される中、火災の多さは電化を推進する上で大きな懸念材料となる。消防庁は発火源の機器や出火の経緯、予防策などを調査する検討会を設置し、3日に初会合を開催する。

 21年の住宅火災発生件数(放火除く)は1万243件。20年と比べて約300件増えたものの、消防庁が公表している13年以降の数値をみると、おおむね減少している。

 一方で電気器具類が発火源となった住宅火災は年々増加。13年は1431件だったが、21年には1899件に達した。

 1899件の内訳は、テーブルタップやプラグなど配線器具が653件、充電式電池や家電製品といった電気機器が640件、電灯・電話などの配線が542件、配電用変圧器など電気装置が64件となっている。

 件数の概数のみが公表されている22年も傾向に変化はない。電気器具類が発火源となった住宅火災は合計で1900件を超え、21年を上回る見込みだ。

 需要側の電化は50年カーボンニュートラルの手段として各方面が注目している。今後、住宅内でも電化がさらに加速することが想定される。ただ、電気器具類からの火災が増えている状況は、電化推進の足かせとなる恐れもあり、早急な対策が求められる。

 消防庁が3日に開く「住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会」では、発火源となる機器や出火の経緯を詳しく調査。火災予防策も議論する見込みだ。

 座長は小林恭一・東京理科大学総合研究院火災科学研究所教授。委員には電力中央研究所や日本電機工業会、電気安全環境研究所、送配電網協議会、製品評価技術基盤機構などから有識者を招く。

電気新聞2023年8月2日