中部電力は23日、顧客参加型の電力取引サービス「これからデンキ」を始めると発表した。個々の家庭などが太陽光発電でつくった電気を別の時間に使ったり、離れて暮らす家族とのシェアや中部電力への売電といった場を提供する。実際のサービス開始時期は2019年11月の予定。これに先立ち、今年8月から専用のアプリケーションや無線充電器を使って、「これからデンキ」を疑似体験できるサービスも始める。

 中部電力は19年11月以降、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)による家庭用太陽光などの余剰電力買い取り期間が順次終了することを見据え、顧客が余った電気を自由に取引できるサービスの創出を目指している。

 「これからデンキ」はその一環。中部電力エリアでは19年度に約10万件の顧客が買い取り期間終了を迎えるという。そういった顧客が電気を自由に取引できるサービスを提供する。19年11月のサービス開始に向けて、ブロックチェーンやIoT(モノのインターネット)などの先端技術も活用。「これからデンキ」は電力取引とともに、将来的には他のサービスも組み合わせて提供する予定。

 これに先立ち、「これからデンキ」を疑似体験できるスマートフォンアプリや専用の無線充電器を8月から順次投入する。このアプリは、歩いたり、サッカー観戦など利用者の行動を「発電」とみなし、実際の電気料金の割引に充当できる特長がある。

 アプリは「iOS」向けが8月上旬、「android」向けは準備ができ次第、それぞれ提供する。無線充電器は中部電力のウェブ会員サービス「カテエネ」のサイトで、9月3日から販売する予定。価格は5980円(税抜き)で、10月から順次発送する。

電気新聞2018年7月24日