出光興産、INPEX、三井石油開発(東京都千代田区、浜本浩孝社長)は25日、秋田県湯沢市で建設を進める地熱発電所(1万4990キロワット)が経済産業相から重要電源開発地点の指定を受けたと発表した。地熱発電所として初めて選ばれた。地域の合意形成や関係省庁による手続きの円滑化につながる。現在、敷地造成工事を進めており、2027年3月に運開する見込み。

 今回の指定は「重要電源開発地点の指定に関する規程」に基づくもの。諸手続きの円滑化を目的に経産相が重要地点を指定する。3月31日付で「かたつむり山発電所」が指定を受けた。3社が出資する小安地熱(湯沢市、内田淳社長)を通じ、開発地点の指定を受けるための準備を進めていた。指定を受けた発電所の立地地域は国から交付金を受けることができ、地域振興に役立ててもらう狙いがある。

 かたつむり山発電所の発電方式は「ダブルフラッシュ方式」を採用。地熱流体を気水分離器で分けることで得られる1次蒸気と、分離後の熱水を減圧気化器に通して得られる2次蒸気で、タービンを回して発電する。発電タービンは三菱重工業製。建設は出光エンジニアリング(千葉市、山元淳史社長)が担う。

 発電した電力はFIT(固定価格買取制度)を活用し、1キロワット時当たり40円で東北電力ネットワークに売る。

電気新聞2023年4月26日