九州電力は22日、商船三井グループのフェリーさんふらわあ(大分市、赤坂光次郎社長)が運航するフェリーに初めてLNGを供給したと発表した。同日に別府港(大分県別府市)で、国内初のLNG燃料フェリー「さんふらわあくれない」向けに、4台のタンクローリーを用いて150トンの供給を終えた。九州電力は低炭素化に有効なLNGの需要は今後も広がるとみて、利用拡大を進めたい考え。

タンクローリー4台からLNGを供給した

 九州電力は2021年、さんふらわあくれないなど2隻にLNGを供給する基本協定書を商船三井と結んだ。さんふらわあくれないは、23年1月13日から大阪~別府航路で営業航海する。今回は営業開始に向けた試運転のためにLNGの供給を受けた。営業航海以降は、別府港に寄港した際に燃料を補給する。

 LNGは、タンクローリー4台に「スキッド」と呼ぶ特殊な導管を接続してフェリーに供給した。1台ずつつなぐ方式より供給にかかる時間を短縮できる。LNGは九州電力グループの大分エル・エヌ・ジーが出荷。燃料輸送や供給作業は危険物の輸送を手掛けるニヤクコーポレーションが担った。

電気新聞2022年12月23日