日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場で28日、きょう29日受け渡し分の取引が行われ、厳しい電力需給が続く東京エリアで一時200円の高値をつけた。インバランス料金の上限に張り付いた形だ。需給逼迫注意報が連日発令される中で買い手の競り合いが過熱し、前年度から続いていた「80円台の壁」が一気に崩れた。

 29日受け渡し分のシステムプライスは、24時間平均が前日比3円60銭高の45円26銭、昼間平均が同5円40銭高の56円64銭、ピーク平均が同1円78銭高の49円00銭となり、いずれも3日連続で今年度最高値を更新した。

 売り札量は同1.7%増、買い札量は同0.4%減で、約定量は同1.4%増の8億9316万6850キロワット時だった。太陽光発電の稼働時間帯は売買需給が緩和したが、夕方は依然として厳しい状況だ。

 東京エリアの価格は、24時間平均で同17円99銭高の69円10銭、昼間平均で同27円83銭高の91円97銭、ピーク平均で同16円66銭高の96円67銭。午後1時半から100円台に突入し、午後4時~6時に200円をつけた。スポット価格が200円をつけるのは2021年1月24日受け渡し分以来、約1年5カ月ぶりとなる。

 東京エリアに需給逼迫注意報が出た27日以降、実勢最高値は80円台にとどまっていたが、28日のインバランス料金単価が一時200円台に跳ね上がったこともあり買い漏らしを嫌い入札価格が一段と上昇したもようだ。

電気新聞2022年6月29日