2017年4月のガス小売り全面自由化で、電力会社もガス販売に乗り出した(写真は関電ガスサポートショップ)
2017年4月のガス小売り全面自由化で、電力会社もガス販売に乗り出した(写真は関電ガスサポートショップ)

 電力・ガス取引監視等委員会は、電力・ガス小売り全面自由化が消費者の選択行動に与える影響などを分析したアンケート調査結果をまとめた。自由化について「多少は知っている」との回答までを含めると、電力で約80%、ガスで約70%の認知度となった。電力は昨年9月の前回調査から認知度が10ポイント以上増加した。電力の購入先を変更しない理由としては、依然として知識不足に起因する回答が多くを占め、電力・ガス監視委では「引き続き周知に取り組んでいく」としている。

 電力自由化の内容を「詳しく知っている」「知っている」とした回答は43.2%で、前回調査から16.4ポイント上昇。認知度自体は向上しており、「なんとなく知っている」まで含めると、79.5%に達した。ガスは電力に比べ低かったが、「なんとなく知っている」を含めると71.3%だった。

 スイッチング(供給者変更)や料金プランの変更に際しては、「販売先のホームページで料金のシミュレーションをした」が電力(38.2%)、ガス(34.4%)ともに最多。スイッチングなどのきっかけでは「今より安い料金プランが出たこと」を挙げる回答が、電力・ガスいずれも約33%とトップ。次いで、電力は「今の料金が高いと感じた」(27.1%)、ガスは「電気を販売している会社がガスとのセット割を始めた」(33.1%)が続いた。

 変更した電気・ガスの購入先に対する満足度については、電気事業者を切り替えた人の62.6%が10段階で6以上をつけた(ガスでは65.7%)。電気・ガスともに満足している理由としては、「月々の料金が安くなっている」との回答が電気で45.9%、ガスで54.4%と最多だった。

 一方、電気ではスイッチングを行わない理由としては「メリットが分からない(38.3%)」「なんとなく不安(28.6%)」の順に多かった。前回調査に比べ、若干改善はしたものの、知識不足がスイッチングの障害となる状況が依然として続いている結果となった。

 アンケートは、沖縄電力エリアを除く全国の男女20~69歳を対象に9月7、8日の2日間にわたり、インターネット・電話で実施した。1万人にスクリーニング調査を、購入先や料金プランを変更した1500人に本調査を行った。