経済産業省と国土交通省は22日の有識者会合で、洋上風力発電の公募審査基準の見直しに向けた議論に着手した。公募で複数海域の事業者選定を同時に行う場合、同一事業者による落札区域数を制限する。談合を助長する恐れがあるため、防止策や罰則などの抑止策も検討する。

 同日開いた経産省の洋上風力促進ワーキンググループ(座長=山内弘隆・武蔵野大学特任教授)と国交省の洋上風力促進小委員会(委員長=來生新・横浜国立大学名誉教授・放送大学名誉教授)の合同会議で事務局が提案した。

 昨年末に公表した公募では三菱商事のグループが3海域を総取りした。国内の洋上風力産業が黎明(れいめい)期であることから、多様な産業形成を促進する狙いで総取りできない仕組みを設ける方針だ。

 採点基準の変更で、事業実現性でも最高点の事業者を自動的に満点に換算する方針を示した。他の提案者の点数は、同じ比率で換算する方式を導入する。現行制度では価格点は最も安い応札者が満点を取れるが、事業計画性は満点を取りにくくなっている。

 事業実現性の80点満点と、地域調整・地域経済波及効果の40点満点は維持する。一方、配点を見直し、運転開始日を重点的に評価する方針を示した。運開が遅れた時の罰則も設ける。エネルギーミックス実現への貢献を評価する。価格点と事業実現性の点数の割合は1対1で維持。事務局は価格評価の重要性は変わらないと強調した。

電気新聞2022年3月23日