九州電力グループで首都圏など域外の電力販売を手掛ける九電みらいエナジー(福岡市、水町豊社長)が、営業戦略の転換を進めている。特別高圧を含む一部の大口需要家に契約変更を促し、九州電力からの供給に切り替えていることがわかった。卸電力市場の価格高騰などが事業に与えるリスクを精査し、九電みらいエナジーの負担を減らしつつ、九州電力グループとして安定供給を維持する狙いがあるとみられる。

 九州電力の中野隆上席執行役員・ビジネスソリューション統括本部業務本部長が、31日の決算会見で明らかにした。燃料高などに起因する卸市場の高騰が新電力の経営を直撃するケースが相次いでいるが、小売事業を取り巻く昨今の事業環境は、大手電力系にとっても「危険水域」であることが、あらためて浮き彫りになった。

 経済産業省・資源エネルギー庁が公表した昨年9月の電力需要実績によると、九電みらいエナジーによる特別高圧の販売量は前月比約4割超減少している。

 九電みらいエナジーは主に特別高圧の顧客を対象に、切り替えを促しているもよう。九電みらいエナジーが家庭を中心とした低圧需要家への電力販売は継続する。高圧、特別高圧について、全て九州電力への切り替えを促すかは明らかにしていない。

 大口需要家を引き取る九州電力も域外に大規模電源を保有しておらず、市場からの電力調達を一定程度活用せざるを得ない。九州電力が東京ガスと千葉県袖ケ浦市に検討するLNG火力発電所が実現すれば、市場への依存度を軽減できる可能性もあるが、中野氏は「時間軸も違うので今回の(九州電力への顧客切り替えの)話と完全にリンクするわけではない」と述べるにとどめた。

電気新聞2022年2月1日