大黒PAに設置された6台同時充電可能な新型急速充電器

 e―Mobility Power(イーモビリティパワー、東京都港区、四ツ柳尚子社長)は16日、首都高速道路の大黒パーキングエリア(PA、横浜市)に、国内で初めて電気自動車(EV)などを6台同時に充電できる新型急速充電器を設置した。総出力は200キロワットで、1口最大90キロワットのスピード充電が可能となる。イーモビリティパワーは今後も高速道路PAでの設置を増やしていきたい考えだ。

 16日に報道陣に公開した。充電器はニチコン製。6台同時に充電する場合は、接続中のEVの充電状態に合わせて出力を制御する。日本では軽自動車タイプに人気が集まるとみられ、200キロワットでも6台に十分対応できるという。

 新型急速充電器はデザイン性に優れ、2020年度グッドデザイン賞を受賞した。EV利用者の目にとまりやすく、「EVを乗っても大丈夫という安心感を醸成できる」(四ツ柳社長)。充電ケーブルの重さを緩和する工夫を施すことで操作性も改善している。

 国内初の導入事例となった大黒PAは大規模な駐車場があり、EVの充電需要も高まる見込み。充電渋滞が起きないように1台当たり30分の充電を呼び掛けている。

 四ツ柳社長は「混雑するPAの駐車場でもスペースを確保できるように高速道路各社と協議をしている」と今後も意欲的に高速道路の設置を目指していく考えを示した。トラックやバスなど法人EV車両の充電対応にも力を入れる方針だ。

電気新聞2021年12月20日