火力や原子力プラントの建設・保守工事を手掛ける日本建設工業(東京都中央区、笹岡智充社長)が2019年から放映しているCMが、動画共有サイト「ユーチューブ」で反響を呼んでいる。昭和のヒーロー物を模したモノクロ画面のアニメが好評を博し、閲覧回数は20年末時点で220万回を超えた。今年2月には第2弾を放映する予定だ。

 CMのタイトルは「星のタービン」。1945年の創業時から受け継がれる「温かさ・情熱・チームワーク」を表現するため、同社が成長した1960年代の雰囲気を細部までこだわって再現。CG全盛の現代に、あえてモノクロ、ブラウン管の画角、当時のアニメを意識した主題歌で構成した。主人公の仲間として会社名を3分割した名前のキャラクターを登場させるなど、笑いの要素も押さえる。テレビ番組「いろはに千鳥」内で放映中だ。

 日本建設工業の総務グループ人事・総務課によると、CM制作の狙いは就職希望者を増やすこと。社名を覚えてもらうため、クリエーターに他社CMに埋もれない「記憶に残るCM」を依頼した。世に出す前に社内で議論もあったが、狙いを説明して同意を得た。採用に結び付けるため、就職活動をする18~24歳の世代に照準を合わせてPR。社名の認知を通じて会社を調べてもらうよう、ホームページも改編する計画。

 第2弾も「驚きを持って記憶に残る」内容で鋭意制作中だ。

電気新聞2021年1月18日