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新・原子力考第2部・復活BWR/事故後14年の軌跡(1)
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自然災害や福島第一事故の教訓を風化させることなく、安全対策を不断に見直すことが必要だ(写真は津波被害を受けた女川町)
 「防潮堤を見る前に病院を見に行くように」。2016年、BWR(沸騰水型軽水炉)の審査を担当する原子力規制庁原子力規制部安全規制管理官に就いた小野祐二(現原子力規制制度研究官)は東北電力女川原子力発電所を訪れる際、原子力規制委員会委員の更田豊志(現原子力損害賠償・廃炉等支援機構廃炉総括監)から、こう告げられた。

 ◆安全確保、真価ここから/教訓受け規制厳格化
 冒頭の病院は海抜16メートルの高台に建っていた旧女川町立病院を指す。11年3月11日の東日本大震災発生時、18メートル超の津波が襲来し、建屋の1階部分が浸水した。「港から病院を見上げれば、女川であの防潮堤を設けるのは当たり前だという意識になる」(小野)。

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