◆ヴァイサラ「絶縁油中ガス・水分オンライン監視装置」

◇常時監視で変圧器の状態を把握/赤外線照射で分析、ガスや事象を特定

 変圧器が故障し、深刻な被害が発生する前に対応するため重要なのがオンラインモニタリングツールだ。近年は、変圧器のオイル中のガスを常時監視し、状態を評価する手法として注目されている。

ヴァイサラが展開する「Optimus 絶縁油中ガス・水分オンライン監視装置」

ヴァイサラが展開する「Optimus 絶縁油中ガス・水分オンライン監視装置」

 フィンランドのヴァイサラが展開する「Optimus 絶縁油中ガス・水分オンライン監視装置」を利用すれば、変圧器内に異常が起きた際に発生する水素などを検知するだけでなく、そこからガスを抽出し、何が起きているかまで特定できる。

 「Optimus 絶縁油中ガス・水分オンライン監視装置」では、まず、変圧器内のオイルの水素と水分を計測する。その後、オイルはサンプリング管に入り、ガスだけを真空抽出する。通常の手法では溶解しているガスの一部しか確認できないが、真空抽出は温度や圧力に依存せずに、ガスを引っ張り出すことができる点が特長だ。

 抽出したガスは赤外線を照射して分析する。計測できるパラメーターはメタン、エタン、エチレン、アセチレン、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)の6種類。赤外線を出し、波長域がどれだけ吸収されたかを見てガスを特定する。約1時間半ごとに計測し、データは10年間蓄積できる。装置の設置はパイプをつなぐだけで短時間で完了する。

装置の設置はパイプをつなぐだけで完了する

装置の設置はパイプをつなぐだけで完了する

 赤外線の照射機器は、長期間利用していると光源が減衰し、分析の精度に影響を及ぼす恐れがある。ヴァイサラの製品は、こうした光源の減衰を検知し、補正する機能も搭載した。光源が完全に消えるまでは、半永久的に利用できるという。

 この技術は、同社のCO2計測で培った知見をそのまま応用しており、装置は全て自社のクリーンルームで製造している。計測するガスの追加を要望された場合も対応が可能。装置はモジュール化されており、必要な場合はパーツごと交換できる。例えば、ヴァイサラが検知部分をアップデートした場合も機器全体を交換する必要はない。

 製品保証は5年。製品寿命は約15年となる。装置の中にはウェブサーバーが入っており、そこにアクセスするだけでデータを見ることができるため、専用のシステムを用意する必要もない。

<<【特集】高経年化進む変圧器/診断技術高度化が急務に(3)へ

【特集】高経年化進む変圧器/診断技術高度化が急務に(1)>>