運転を開始したバラカ1号機の中央制御室

 アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所1号機(140万キロワット)が8月1日、運転を開始した。同原子力は2009年に韓国電力が受注していたもので、2月に連邦原子力規制委員会(FANR)から運転許可証を受領。3月に燃料装荷を完了し、試験運転を進めていた。これにより、UAEは世界で33番目、アラブ圏初の商用原子力を運転する国・地域となった。今後、数週間以内に並列するとしている。

 UAE原子力公社(ENEC)が、現地時間1日に発表した。同社は韓国電力と共に、バラカ原子力の運営事業者、ナワ・エナジーに出資している。

 同国は化石燃料依存の経済構造を段階的に転換するために原子力導入を目指していた。隣国のサウジアラビアも原子力導入を検討する。世界的な脱炭素への動きの活発化や、新型コロナウイルス影響で化石燃料の需給構造が大きく変化する中で、中東での原子力利用開始がどう作用するか注目される。

電気新聞2020年8月4日