富士電機は10日、鉄道向けで実績があるドア駆動システムがトヨタ自動車の電気自動車(EV)「e―Palette(イーパレット)」に採用されたと発表した。イーパレットは移動のほか物流、物販など多様なサービス利用を目的に開発した自動運転EV。富士電機が鉄道以外にドア駆動システムを納入するのは初めて。信頼性や安全性に加えモジュールが小型であることなどが評価された。
鉄道向けのドア駆動システムには空気式と電気式があり、富士電機は電気式を手掛けている。国内の電気式では約50%のシェアを誇り、海外を含めて約7万5千台、約1万車両にシステムを納めた実績がある。
富士電機は今回の採用を機に、鉄道やEVなど輸送分野で幅広くドア駆動システムを提案する。国内の鉄道車両では空気式のシステムが多いため、電気式への置き換え需要が見込める。部品点数が少なく保守しやすいことや、ドアへの挟まりなどに対する安全性を訴求していく。
トヨタのイーパレットは、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)専用EVとして開発。東京五輪・パラリンピックや、静岡県裾野市で同社とNTTが計画するスマートシティー実証などで使用される予定だ。
電気新聞2020年6月11日
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