調査会社のMM総研(関口和一代表取締役・所長)はこのほど、国内企業を対象に定型業務をソフトウエアロボットで自動化する、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の利用動向を調査した。年商50億円以上の企業1021社から回答があり、昨年11月時点で389社(38%)がRPAを導入。昨年1月の前回調査(32%)から6ポイント増加した。年商1千億円以上の大手企業に限定すると導入企業の割合は51%に達する。

 人工知能(AI)の利用も併せて調べ、RPAをAIと組み合わせて利用する動きも進むとの見方を示した。

 業種別にみると「導入済み」の最多は「金融」で59%。前回調査から導入が大きく伸びた業種は「学校・医療福祉」「流通」で、「業種を問わず普及が進んでいる」とした。

 導入企業に、RPA製品を複数利用しているか尋ねると、「複数利用」が47%と半数近くを占めた。理由(複数回答)としては「比較検討・テスト」が最多の36%で、各社が2019~20年度に検討の結論を出す可能性が高いとしている。

 AIの導入率については全体で36%。一方でRPA導入企業に限るとAI導入率は77%に達し、企業間でデジタル技術の活用に関し「差が顕著に表れた」と指摘した。

 調査は昨年11月5日から11日に実施。全業種を対象に、各社の情報システム部門や企画部門担当者にウェブアンケート形式で行った。

電気新聞2020年3月11日