Nuclear power plant Fessenheim, Haut-Rhin, Alsace, France
Nuclear power plant Fessenheim, Haut-Rhin, Alsace, France

 フランス電力(EDF)は現地時間22日に、同国で稼働した原子力発電所では最も古いフェッセンハイム1号機(90万キロワット)を廃止した。ドイツとの国境に近い東部のオーラン県で1977年に営業運転を始め、43年間稼働した。「エネルギー移行法」の下で2035年までに原子力の発電電力量比率を現行の75%から50%に下げる政府方針の第一歩となる動きで、6月30日には1978年に運開した2号機(90万キロワット)を廃止する予定だ。

 フェッセンハイム1、2号機が廃止されるとフランス国内の原子力は56基になる。政府は35年までにさらに12基を段階的に廃止して比率を50%に下げる考え。一方で陸上・洋上風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを伸ばす。

 ただ、政府は原子力を脱炭素化への選択肢とする姿勢は崩しておらず、合計14基を廃止する代わりに、時期は未定だが、6基の改良型EPR(欧州加圧水型軽水炉)を新設する可能性も探っている。

 フェッセンハイム1、2号機の廃止措置や従業員の再訓練などにかかる費用は、総額で4億ユーロ(約480億円)と見積もられている。

電気新聞2020年2月26日