20年夏に出荷を開始する「ホンダe」
20年夏に出荷を開始する「ホンダe」

 ホンダは2020年夏頃に欧州市場で同社初の量産型電気自動車(EV)「ホンダe」を投入する。電池容量は35.5キロワット時。フル充電時の走行距離は200キロメートル以上を実現する。その販売に合わせて、車載電池を活用したエネルギーマネジメントソリューションも提供する考えで、V2H(自動車から宅内への給電)としての利用を想定する。ドイツ・フランクフルトで開催中のモーターショーにホンダeの実機を展示している。

 同社はこれまで米国などで「フィット」をEV化したものを企業向けにリースしていたという。量産型のEVはホンダeが実質初となる。欧州では既にドイツ、英国、フランス、ノルウェーで予約を受け付けている。ホンダeは急速充電にも対応したモデルで30分で約80%を充電できる。

 ホンダeの投入に合わせて提供するエネルギーマネジメントソリューションは、車載蓄電池の充放電管理を得意とする英モイクサ社と連携。第1弾として系統の需給状況を判断して電気料金の安価なタイミングでEVを充電するサービスを始める。同サービスのノウハウを蓄積し、20年代前半にはV2Hも開始する見通し。

 ホンダは欧州での環境規制強化を受け、同地域で販売する四輪車を25年までに全て電動車(ハイブリッド車も含む)に置き換える方針を掲げている。

電気新聞2019年9月13日