北海道電力は、ブロックチェーン技術を活用し、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)向けのプラットフォーム構築に乗り出す。システム開発ベンチャーのINDETAIL(インディテール、札幌市、坪井大輔社長)と共同で展開する。EV充電設備を備える全道の「EVスタンド」をインターネットでつなぎ、決済処理や利用予約などの利便性を高める。北海道に適した新たなエネルギーシステムの模索や地域の課題解決に結び付ける。

 2019年度はプラットフォームのシステム設計や仮想シミュレーションを実施。20年度以降に実証実験を始める。6月には共同で特許を出願した。

 今回のプラットフォームでは、ブロックチェーン技術を駆使してセキュリティーを確保しながら、各地に点在するEVスタンドをプラットフォーム化する。アダプターを使って様々な仕様のEVスタンドをIoT(モノのインターネット)化し、インターネット接続や簡単なデータ処理をできるようにする。EVスタンド運営者と車の利用者の双方にとって魅力的なサービスを統合的に提供できるプラットフォームを目指す。

 プラットフォームに参加すれば、EVスタンド運営者は自動決済処理や稼働状況確認、柔軟な料金設定が可能になる。車の利用者は設置場所や空き状況、充電状況の確認、利用予約をウェブ上で実現できる。将来的には、車の利用者が自宅で持つ充電用コンセントもプラットフォームにつなぎ込めるようにしたい考えだ。

 北海道のEVスタンドは約1100台で、全国と比べ少ない。設置拡大にはスタンドの魅力向上が欠かせない。今回のプロジェクトはEVの普及を後押しし、運輸部門の低炭素化、地方で加速するガソリンスタンドの減少対策、調整力などとしての車載蓄電池の活用拡大に結び付ける狙いもある。

電気新聞2019年6月7日