中部電力は29日、浜岡原子力発電所の基準地震動(Ss)策定におけるデータ問題を巡り、再発防止策を取りまとめ、経済産業相に追加報告した。経営ガバナンス改革を柱に掲げ、執行側に多様な人材を登用するほか、外部専門家の知見を積極的に導入する。同日、浜岡1、2号機の廃止措置に伴う解体撤去工事で不適切な費用申請があった事案と、顧客への電気料金の過大請求についても原因・再発防止策を公表した。
Ssデータ問題の再発防止策は、調査委員会による報告書の指摘を踏まえ追加した。取締役会を含む経営会議などで、重要なリスクや現場の実務者の意見を見落とさないようにする。「独自の正当化理論」を排除し、意思決定する仕組みを強化する。
具体的には経営ガバナンスの強化に向け、執行側で多様な人材を登用し、経営体制を刷新。「経営会議付議審査委員会」を置き、経営執行会議にかかる重要案件に対し、外部専門家の評価を入れるなど事前に審査する段階を設ける。新設した組織風土改革推進部が取り組む施策について社外の知見を生かす目的から、「組織風土改革評価委員会(仮称)」も年内に立ち上げる。
廃止措置を巡る不適切事案では、2024年度に使用済燃料再処理・廃炉推進機構(再処理廃炉機構)に費用請求を申請した全36件を調査。中部電力が実際に検収した金額と、適正な金額を比較した結果、16件に相違があり、約2億5千万円が過大、約2千万円が過小だった。請求額は今後、再処理廃炉機構と協議した上で整理し、速やかに返金する予定だ。
原因として、24年度からの拠出金制度の変更に対し、制度要求の把握と制度移行に必要な組織的管理体制の不備を挙げた。再発防止策によって見直された業務プロセスが定着するまでの間、本店と浜岡原子力が一体となって支援体制を構築する考えだ。
電気料金の原価の一部に算定誤りがあった事案では、業務引き継ぎ時に再検証を行う仕組み・機能の不全があったと整理。中部電力ミライズを含め意思決定や管理監督ルールの不備も認められた。業務の引き継ぎ時には未解決事項や例外判断の理由まで記録するなどして再発防止を徹底する。
電気新聞2026年10月30日





