中部電力は5月29日、再生可能エネルギー電源によるCO2(二酸化炭素)フリー電気料金メニューの受け付けを7月1日から開始すると発表した。現行プランの電気料金に1キロワット時当たり4円32銭(消費税相当額を含む)を上乗せすることで、使用した電力全てがCO2フリーとなる。中部エリア内で同社の電気を契約している高圧、低圧の顧客が対象。環境負荷低減に取り組む顧客のニーズに応える。販売目標は設定していない。

 対象となるのは同社の高圧業務用電力・高圧電力を契約中の顧客や、家庭向けウェブ会員サービス「カテエネ」に登録済みで「ポイントプラン」や「おとくプラン」などの電気料金プランに加入している顧客。地球温暖化対策推進法の「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」で、顧客はCO2排出係数をゼロとして算定することができる。

 CO2フリーメニューの電源は、同社が保有する水力発電所や、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に基づく買い取り期間を終えた太陽光発電を活用する。今年度提供分に限っては、全て水力発電所からの電気を想定。太陽光による電気は、20年度からの活用を計画している。

 同社は現在、60億キロワット時分の自社水力を保有。中部エリアで19年度中にFITの買い取り期間が満了する太陽光は約10万件で、設備容量は約35万キロワットに上る。

 今回のCO2フリーメニューは、顧客参加型電力取引サービス「これからデンキ」の新サービスとして提供する。

 大手電力では、東京電力エナジーパートナー(EP)が水力発電の電気のみで構成する法人向けの「アクアプレミアム」、家庭向けの「アクアエナジー100」の提供を17年度から開始した。関西電力も、法人を対象とした「水力ECO(エコ)プラン」を提供している。

電気新聞2019年5月30日