東京電力パワーグリッド(PG)は17日、千葉方面で再生可能エネルギーの効率的な導入拡大に向けた試行的な取り組みを行うと発表した。太陽光や風力などの自然変動電源の特性を踏まえて、系統混雑の際に電源の発電出力抑制を前提に、時間ごとにきめ細かな断面で潮流想定を合理化した系統アクセスを検討する。具体的には、佐京連系を対象に8760時間の想定潮流を算出し、空き容量を有効活用する。これにより、一定規模の再生可能エネの系統連系が可能となる可能性がある。

 東電PGは再生可能エネの導入拡大を進めているが、千葉方面の系統は基幹系統の制約から空き容量がゼロの状態。一方、再生可能エネの系統アクセス検討の申し込みが多数あるが、大規模な設備対策が必要なこともあり、回答を保留する形で対処している。同社によると、低圧事業用太陽光は約1万4千件・約60万キロワット、洋上風力は18件・958万キロワットの申し込みがあり、今後もさらなる申し込みが想定されるという。

 今後、国や電力広域的運営推進機関(広域機関)と相談しながら取り組みを進める。容量市場に参加できない可能性が高いなどの条件承諾を前提に、6月1日から系統アクセス検討申し込みの回答に反映する考えだ。

電気新聞2019年5月20日