東京電力ホールディングス(HD)は26日、国から第5次となる総合特別事業計画(総特)の認定を受けたと発表した。廃炉体制の強化や成長に向けた他社とのアライアンス、電力需給増加を見据えた効率的な系統整備などが柱となる。3.1兆円のコスト削減も記載した。2034年度までの収益では柏崎刈羽原子力発電所の2基の再稼働を織り込み、31年度以降は経常利益を3千億円超に設定。7期連続赤字のフリーキャッシュフローは28年度以降の黒字化を目指す。

 総特には長期にわたる廃炉を完遂するため、廃炉事業の改革を盛り込んだ。廃炉推進カンパニーが主体的に判断し、経営リソースを投入する体制を構築。現場第一の視点で安全かつ効率的な廃炉を目指す。

 アライアンスは期限を区切って、パートナーとなる候補から提案を募る。アライアンスの枠組みや仕組みについて精査、評価する検討体制を構築。提案者には企業価値向上のプランなどを求めていく。交渉が進めば出資比率や業態などの詳細を協議していく。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)に伴う電力需要増加に対応するため、データセンター(DC)などの大規模需要家の立地時は、効率的な電力利用や電気設備の設置を提案する。受電機器メーカー、施工会社とも連携し、早期の供給開始につなげる。

 34年度までの10年間の総投資額は約7兆円と見積もった。投資が膨らむが、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働、経営合理化などで28年度以降にフリーキャッシュフローの黒字化を目指す。

 原子力関連では、東通原子力発電所の建設再開の方針を記載。福島第二原子力発電所の廃炉に向けて、福島第一廃炉推進カンパニー、復興本社の統合・再編の検討も盛り込んだ。

 経営効率化に向けては、東電HDと基幹会社の全投資案件を精査。34年度までに累計で3.1兆円のコスト削減を目指す。リスク評価による投資の優先順位付けも行い、削減幅を見積もった。

◆メモ/第5次総合特別事業計画のポイント

[長期にわたる廃炉貫徹]
 ・経営判断・能力・体制の3本柱で抜本的に廃炉事業の改革を行う
 ・廃炉事業遂行能力の向上

[GX・DX、エネルギー安全保障等に対応した安定供給・財務状況の改善]
 ・迅速かつプッシュ型の電力供給
 ・2040年度に脱炭素電源を6割以上確保
 ・2040年度までの首都圏のDC需要伸び率で世界トップクラスを実現

[アライアンス]
 ・枠組み・仕組みなどの精査・評価の検討体制を構築
 ・期限を切ってパートナー候補から提案募集

[経営合理化策]
 ・2034年度までの累計で約3兆1000億円のコスト削減
 ・資産売却で3年以内に2000億円規模の資金捻出

電気新聞2026年1月27日