提携合意文書に調印した竹内氏(右から2人目)とオムバッハ氏(同3人目)ら


 東芝エネルギーシステムズ(ESS)とエアバスは16日、次世代の水素航空機開発に向けた超電導モーター技術に関する共同研究を行うことで提携すると発表した。超電導モーターは、液体水素を燃料とした航空機の高出力電動化を可能にする重要な技術として期待されている。両社はエアバス完全子会社のエアバス・アップネクストとともに、航空機に求められる2千キロワットの超電導モーター適用を目指す。

 同日都内で合同記者会見を行い、東芝執行役員で東芝ESS取締役兼パワーシステム事業部長の竹内努氏とエアバスシニアバイスプレジデント兼将来技術研究責任者のグゼゴルツ・オムバッハ氏が提携合意文書を取り交わした。

 竹内氏は「航空機の脱炭素化を目指すための中心技術として東芝とエアバスの技術を結集する。航空宇宙産業の次世代技術の発展に重要な役割を果たしていきたい」と強調。オムバッハ氏は「超電導モーターを使えば、航空機の軽量化と燃費向上を実現できる。液体水素燃料と超電導モーターを組み合わせた航空機を2040年までに実現したい」と意気込みを語った。

 超電導モーターを搭載した水素航空機は、氷点下253度の液体水素を燃料として使用するだけでなく、超電導モーターを効率的に冷却することで大きな利点を得られる。東芝ESSは22年に超電導モーターの試作機を開発していた。

電気新聞2024年10月17日