5月に稼働開始した「メガパック」

◆1次調整力の供出も

 テスラ日本法人は5日、仙台パワーステーション(仙台市、南部博之社長)向けに大型蓄電システムを納入したと発表した。提供したのは出力1万800キロワット、容量4万3千キロワット時の「メガパック」。系統用蓄電池として接続し、需給調整市場に参加する。最も応動速度が速い1次調整力の供出も予定している。1次調整力へメガパックが利用されるのは国内初。

 設置したのは関電エネルギーソリューション(Kenes、大阪市、川崎幸男社長)などが出資する仙台パワーステーションの発電所(仙台市、石炭、11万2千万キロワット)構内。5月20日に運用開始した。今後の運用はKenesが担い、テスラは保守サービスを提供する。

 メガパックは応答性が高く、安全性が高いことを特徴とする。蓄電池、パワーコンディショナー(PCS)、温度管理システム、制御機構が一つのコンテナサイズのユニットに内蔵されて工場から出荷される。そのため現地での施工を簡素化できる。同社は「設置に必要な面積が小さく済むことも日本においては大きな利点」と強調する。

 テスラは世界各国で多くの系統用蓄電所のプロジェクトを遂行している。その実績や経験を生かし、国内でも容量市場や需給調整市場へ参画する顧客向けへの展開を加速する方針だ。

電気新聞2024年6月6日