◆電源投資は長期の意志決定/短期市場と別運用で

 ◇今回の登壇者 戸田直樹氏(東京電力ホールディングス 経営技術戦略研究所 経営戦略調査室 チーフエコノミスト)

 とだ・なおき 1985年東京電力入社。企画部、国際部、外務省派遣、電力中央研究所派遣などを経て2016年より現職。
 

<今回の論点>

 「卸電力市場の価格シグナルによって電源投資を促す」という理念に基づく従来の電力システム改革モデルの限界が顕在化しつつある。EUでも「発電事業への長期的な投資決定を短期的運用から切り離す」ハイブリッド市場へ移行している。実はこうした考え方は日本の特性を踏まえた制度改革モデルとして過去にも提唱されてきた。長期脱炭素電源オークションの導入はこうした流れに位置づけられる。改革の見直しにあたっては従来型からの切り替えの必要性を明確に認識すべきだ。

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