CO2回収設備と一括で

 
 IHIは1日、世界最大級の製造能力を持つメタネーション装置をJFEスチールから受注したと発表した。二酸化炭素(CO2)回収設備も合わせて受注。両設備の一括受注は国内で初めてのケースとみられる。試験高炉の排出ガスから1日当たり24トンのCO2を再利用し、1時間に500ノルマル立方メートルのメタンを製造する。経済産業省のグリーンイノベーション基金に採択されたJFEスチールの実証を支える。

 JFEスチール東日本製鉄所千葉地区に、2024年度に納入する予定。高炉から発生するCO2を水素と反応させてメタンを製造する。還元剤をコークスからメタンに置き換えることで、CO2排出量を50%以上削減する計画だ。

 IHIによると、メタネーション装置とCO2回収設備を一括で受注したのは、日本では過去に例がないという。IHIにとってはCO2回収設備の受注も初めてだ。

 IHIはJFEスチールからの受注を機に、装置のさらなる大型化に向けた技術開発を推進する。30年までに1時間当たり数千~数万ノルマル立方メートルのメタンを製造できる装置を商用化する計画。

 メタネーションの実用化に向けては、装置の大型化が求められる。昨年10月には、大阪ガスとINPEXが同400ノルマル立方メートルの製造能力を持つ装置を開発すると発表した。

電気新聞2022年12月2日