核融合研究の中核装置となる「JT-60SA」で、心臓部となる磁場コイルの据え付け作業が佳境を迎えた。建設地は量子科学技術研究開発機構の那珂核融合研究所(茨城県那珂市)。周方向の磁場をつくるコイルはフランスとイタリアが製造する。全部で18体あり、12体目まで据え付けが完了した。実験開始は2020年9月を予定。25年に最初の放電を開始する国際熱核融合実験炉「ITER」の技術目標達成に向け、課題などを事前に検証する。
磁場コイルの取り付け誤差は「1ミリ以内」に抑える。量研機構の正木圭・JT-60本体開発グループリーダーは「実験精度を高めるには、磁場コイルを正確に設置することが最も重要」と話す。
約3年後、世界を先導する核融合研究はここから始まる。