水面に浮かべたブイ型の水面センサー

 三菱電機は26日、設置が容易なブイ型水面センサーを用いて、タブレット端末などから複数のため池の水面状況を常時監視するサービスを始めると発表した。農業水利施設の維持管理業務の効率化に役立つ。5月10日に受注を開始。主に自治体向けに提案し、2025年度までに100市町村への導入を目指す。

 新サービス「みなモニター」は8月に提供を開始する。価格は機材・設置費などを含めた初期費用が180万円から、月額料金が3千円から(いずれも税別)。

 新サービスでは、水位や水温、水面状況などブイ型水面センサーで取得した情報を、クラウドを通じて常時監視する。ため池周辺の天気の確認機能、メモや写真の共有機能も備える。

 ブイ型水面センサーは衛星測位システムを活用し、誤差3センチメートル以内の精度で水位を計測する。太陽光発電パネルと蓄電池を搭載しており、充電などが不要。日差しがなく9日間発電できなくても約150回観測できる。水中に沈めた重りとロープで固定するだけで設置でき、移設も容易だ。

 農業用のため池などでは災害による決壊が頻発しており、農林水産省が水位計の設置を促している。ただ、費用や手間がかかることが課題になっていた。

電気新聞2022年4月27日