ホープ(福岡市、時津孝康社長兼CEO)は22日、新電力子会社のホープエナジー(福岡市、時津孝康社長)が破産手続き開始の申し立てを行うと発表した。卸電力市場価格の高騰で調達コストが膨らみ、債務超過に陥っていた。一般送配電事業者9社に支払う託送料金は未払いとなり、託送供給契約も解除された。負債総額は300億円で、託送料金や不足インバランス料金が大半を占める。ホープがホープエナジーの債務を保証する見込みはなく、一般送配電事業者は取り立て不能となる恐れがある。

 ホープエナジーは2021年12月にエネルギー事業をホープから承継。ホープは同年1月の卸電力市場高騰により、インバランス料金約65億円を9分割して支払っており、同年12月に完済した。

 卸電力市場価格は同年10月以降も高騰し、ホープエナジーは逆ざやでの電力供給が続いていた。今年2月の平均電力市場調達単価実績は23円96銭だったのに対し、平均販売単価実績は15円09銭。ホープの22年6月期第2四半期連結決算では、ホープエナジーの営業損失により80億4700万円の債務超過を公表していた。

 ホープエナジーは託送料金の支払いができず、22日午前0時までに沖縄電力を除く一般送配電事業者9社から託送供給契約を解除された。ホープエナジーの顧客は全国(沖縄を除く)の自治体や公共施設で約5千施設に上る。自社からの電力供給が停止になるという通知を14~17日に顧客に送付し、他の小売電気事業者への契約切り替えを促していた。

 新たな切り替え先はホープエナジーの託送供給契約解除日までさかのぼって電力を供給したことになる。他の小売電気事業者や最終保障約款への契約切り替えを行わない場合、一般送配電事業者のもと、無契約状態で供給される。供給期間は一般送配電事業者の条件によって異なる。

 ホープエナジーは新電力の販売量ランキング(昨年11月)で総合14位、特別高圧5位、高圧10位、低圧291位につけている。

電気新聞2022年3月23日