経済産業省は12日、1月のインバランス料金と、再生可能エネルギー電気卸供給の料金を小売電気事業者が一般送配電事業者に分割して支払える特例措置を認可したと発表した。日本卸電力取引所(JEPX)の1月のスポット市場価格は月間平均で1キロワット時当たり63円07銭と過去最高を記録。小売電気事業者の資金繰りを支援して需要家を保護する。

 経産省は一般送配電事業者各社に対し、インバランスの特例措置に必要な託送供給等約款以外の供給条件の認可申請と、再生可能エネ電気卸供給約款以外の供給条件の承認申請を要請していた。一般送配電事業者は10日に申請。12日には電力・ガス取引監視等委員会が経産相に対し、認可や承認に異存ないとする意見をまとめた。

 インバランス料金の特例措置を希望する小売電気事業者は、2月15日から3月15日までに一般送配電事業者に申請する。1月のインバランス料金の支払期日は3月5日だが、4月から8月まで5カ月分割で支払えるようになる。

 再生可能エネ電気卸供給は、一般送配電事業者が買い取ったFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)電気を小売電気事業者に卸供給する仕組み。特例措置を受けるには2月15日までに経産省に申し入れた上で、3月15日までに一般送配電事業者に要件審査を申請する。

 要件を満たせば、2月15日以降、最初に期限を迎える料金の支払期日が4月15日まで延長され、そこから7月まで4カ月の分割で支払える。支払期日はFIT電源の検針日によるため、4月15日までの延長期間は、事業者によって1~2カ月と異なる。

 双方の特例措置を受けるために小売電気事業者が満たす要件は同じ。一般送配電事業者は小売電気事業者の需要家保護対策や、事業健全性と事業継続性に関する体制を審査する。インバランス料金と再生可能エネ電気卸供給の料金は市場価格に連動するため、小売電気事業者の財務に懸念が生じている。

電気新聞2021年2月15日