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新・原子力考第2部・女川再出発(1)/再稼働、込めた決意
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14年ぶりに再稼働を果たした女川原子力発電所(東北電力提供)
 「女川は無事です」。東日本大震災の発生を受け、東北電力社長(当時)の海輪誠は出張先の名古屋から、急ぎ仙台の本店へ戻る途中で報告を受けた。2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の国内観測史上最大規模の巨大地震が東北地方を襲った。震源に最も近かった女川原子力発電所は1、3号機が運転中。定期点検中だった2号機は午後2時に原子炉を起動させたばかりだった。

 ◆地域と人財と、遂げる

 発電所長だった渡部孝男は、所長室で2号機臨界の報告を待っているさなか、地面の底が抜けたような激しい揺れに襲われた。渡部は直ちに緊急対策室に入り指揮を執った。

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