電力・ガス取引監視等委員会は19日の有識者会合で、4月以降に高騰している日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格を取り上げた。中東情勢や連系線・電源の定期点検に加え、大手事業者の長期電力購入契約(PPA)終了に伴い売買入札が増加したことが要因と指摘。5月下旬に売りブロック入札の分割を促す周知を行ったことを報告し、さらに相対契約を促す方策も検討する方針を示した。

 スポット市場では中東情勢による燃料価格高騰を受け、3月中旬頃から価格が上昇。4月1日以降はさらに騰勢を強め、東京エリアでは40~50円台の価格が頻発した。

 電力・ガス監視委はまず売り入札の限界費用に含まれる燃料費が1キロワット時当たり10~15円程度上昇していたと指摘。加えて東北~東京間連系線の増強工事に伴う潮流減少や、火力発電所の点検・故障といった供給力の制約も要因とした。

 長期PPAが終了したとみられる4月以降は、スポット市場への売り・買い入札が大幅に増加した。

 特に売りブロック入札量の増加が顕著になっている。

 売りブロックは電源の費用回収などを目的に連続する複数コマをまとめて入札するもので、全体の価格水準で約定が決まる。6時間など長いブロックで太陽光が多い日中に価格が低下すると、朝や夕方に高値の買い札を取り込んだ形で約定。結果として価格急騰につながる。

 電力・ガス監視委はJEPXの協力を得て売りブロックを細かく分割した場合のシミュレーションを行い、価格抑制に寄与することを確認した。

 これを踏まえて5月29日、市場参加者に向けて分割した各ブロックへ起動費を上乗せしても問題ないことを周知した。

 また、相対契約の増加は起動予定の電源を増やし、売りブロックよりも約定しやすいコマ入札を増やす可能性があるとも指摘。内外無差別を維持しつつ、「相対卸契約の締結を促すような評価の在り方」も検討する。

電気新聞2026年6月22日