原子力規制委員会は18日の定例会合で、特定重大事故等対処施設(特重施設)の経過措置期間を見直す方針を決めた。起点の変更など、次回以降の会合で具体策を議論する。特重施設が完成済みのほぼ全てのプラントで、本体施設の設計・工事計画認可(設工認)から5年という設置期限を超過している事実を重視した。一方で、建設業の労働環境変化を理由に原子力事業者から提案されていた経過措置期間の3年延長は却下した。

 今回の経過措置期間延長の議論は、昨年10月に事業者から原子力エネルギー協議会(ATENA)を通じて提案があり始まった。ただ建設業の環境変化を「他律的要因」とする事業者の提案については、昨年12月の会合で否定的な認識を委員間で共有しており、提案を補強できる追加根拠を求めていた。

 18日の定例会合では事業者から追加根拠はないとの回答があったことが原子力規制庁から報告された。これを踏まえ、事業者の提案は受け入れないことを決定した。

 定例会合では、現状の経過措置期間の在り方も取り上げた。こちらも昨年12月の会合で、妥当性について議論する必要性が指摘されていた。

 委員からは、経過措置期間を超過しているプラントがほぼ全てという事実を重視すべきとの意見が多く挙がり、期間の見直しについて今後議論していくとの方針で一致した。

 見直しのイメージとしては、杉山智之委員などから経過措置期間の起点を運転開始(使用前確認証の交付)に変える案が示された。一方で、杉山委員は5年という期間そのものを変更することについては認めがたいとする意見も述べた。

 仮に運転開始が起点となれば、東北電力女川原子力発電所2号機では約3年の期間延長となり、既に見直した工事完了目標の2028年8月でも間に合う計算となる。

 規制委は規制庁に対し、具体案を複数作成するよう指示。それを基に今後の議論を行っていくとした。規制庁は3月中旬~下旬頃には定例会合に具体案を示したいとしている。

 18日の会見で、山中伸介委員長は「設工認から5年を守れていないプラントが多いのであれば、考え方を変える必要がある」との認識を述べ、見直しの議論は「規制の継続的改善」と説明した。

電気新聞2026年2月19日