JERAはフィリピン大手電力のアボイティス・パワーと育成した技術者について、双方の発電所で本格的に受け入れる運用を検討する。両社は昨年、人材開発拠点をバタンガス州に設立。新入社員が一緒に研修を受け、運転やメンテナンスの技術を習得する取り組みに着手している。深刻化する人手不足への対応が必要な日本と、LNG火力の運用ノウハウなどを得たいフィリピンの双方に有益なモデルを目指す。
奥田久栄社長が電気新聞のインタビューで「育成人材をプール運用し現場要員を確保する取り組みを、将来の選択肢の一つとして検討していく」と明らかにした。
JERAは発電所運営のデジタル化を進めており、従来よりも少ない人数でO&M(保守・運転)が可能な体制を構築した。一方、奥田社長は「それでも(人材確保が)なかなか追いついていないのが現状。発電所の現場で働きたいという人も確実に減っている」と危機感を募らせる。

要員不足は技術継承にも影響が出る。JERAとアボイティス・パワーは昨年9月、双方の技能向上を目的に人材開発拠点「GTCOE」(グローバル・テクニカル・センター・オブ・エクセレンス)をフィリピンに開設した。オンライン接続されたシミュレーターやリモート受講できる会議ブースなどを整備。発電所構内のバーチャル見学も可能にした。
12月までにJERAから24人、アボイティス・パワーから13人がGTCOEの研修を受講。基礎レベルのO&M技術を学んだほか、アボイティス・パワーが出資する発電所を訪れ現場研修を行った。参加したJERAの研修生からは「多くの人の話を聞き、海外で働く際のマインドを学べた」「フィリピンの国民性を知る良いきっかけになった」といった声があがり、意識改革につながったという。
研修内容は今後評価して、改善・拡充を図る。
奥田社長は「まずはフィリピンで成功事例を一つつくることが大事だ」とした上で「他国でも同じような取り組みができるのであればチャレンジしたい」と話す。
電気新聞2026年1月9日





