沖縄電力が経過措置料金規制解除の第1号となる可能性が浮上している。KDDIグループの沖縄セルラー電話(那覇市、宮倉康彰社長)が小売電気事業者として沖縄エリアに10月参入する。同社は沖縄電力の販売代理事業者として獲得している顧客に順次、自社小売の契約に移行を促す。順調に移行すれば、2社以上の有力な競争者という解除基準をクリアできる見通しだ。
解除基準の一つとなるシェアは、低圧電灯の契約口数で計算される。
電力・ガス取引監視等委員会によると、沖縄エリアでは沖縄ガスニューパワー(那覇市、武島千浩社長)が2025年3月時点でシェア6.7%を占める。沖縄セルラーは現時点で約7万7千件の顧客を抱え、沖縄ガスニューパワーに匹敵すると見られる。
経過措置料金の解除基準の一つに「シェア5%以上の競争者が2者以上」がある。
沖縄セルラーは現在提供している料金プランを月330円値上げし、物価や人件費の上昇に対応しつつ、顧客を自社小売契約に移行させたい考え。移行が進めばシェア5%以上の競争者が2者誕生する。
他の解除基準はすでに満たす。大手電力小売部門と新電力で電力調達を公平にする基準に関して、沖縄電力は卸売りの内外無差別を担保していると評価されている。消費者の状況に関する基準でも電力自由化の認知度が全国で約9割に上り、スイッチングも着実に増加していることから、監視委は「いずれの区域においても一定の充足が認められる」と分析する。
原則2020年までとされていた経過措置料金の解除がいまだに実現できていないのは、シェア5%以上の新電力が2者現れてないことが背景にある。北海道、東京、中部、関西、沖縄では都市ガス会社が5%以上を獲得するが、2者目が出現しない。他エリアは1者も5%以上の新電力が存在しない。経過措置料金の解除が視野に入っているのは沖縄のみと見られる。
電気新聞2025年7月24日





