環境省は2019年度概算要求で、ブロックチェーン技術を活用した環境価値取引システムの構築に向けた予算を増額する方針だ。「低炭素型の行動変容を促す情報発信による家庭等の自発的対策推進事業」として、18年度当初予算比10億円増となる40億円を要求する見通し。増額分の大半はブロックチェーン関連事業になるとみられる。

 環境省は、これまで二酸化炭素(CO2)削減価値の評価が難しかった再生可能エネルギー発電の自家消費に着目。その削減価値を創出し、低コストで取引できるモデルの構築を目指している。ブロックチェーンは改ざんが難しく、安価にシステムが構築できるとされ、幅広い分野で応用が期待されている。

 18年度予算では「ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」として、電力シェアリング(東京都世田谷区、酒井直樹社長)を代表事業者とするコンソーシアムが検討事業に着手。太陽光発電システムや電動バイクを用いた環境価値取引が可能かを検討し、有効性が確認できたため、大規模実証のフェーズに移行する。

 環境省はCO2削減価値を取引するプラットフォームを実用化し、地域の再生可能エネ設備のさらなる活用を促したい考えだ。

電気新聞2018年8月27日