全国の高等専門学校生が、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業を想定したロボットの製作で競い合う「廃炉創造ロボコン」が2025年12月20日、日本原子力研究開発機構(JAEA)の楢葉遠隔技術開発センター(福島県楢葉町)で開催された。JAEAと廃止措置人材育成高専等連携協議会が主催。2016年の初開催から10回目の節目となった。今回は海外を含む14校から計18チームが参加し、KOSEN-KMITL(タイ高専)チームが最優秀賞を獲得した。20日の本番と大会直前18、19日に行われたテストランのようすをレポートする


 競技内容は前回大会と同じく、原子炉格納容器内でのサンプル採取が課題となる。原子炉格納容器にある「X-1ペネ」と呼ばれる貫通孔からロボットを投入し、放射性汚染物のサンプルを回収して持ち帰る。競技では内径600ミリメートルの貫通孔(筒)からロボットを投入。筒を通過したロボットは急な階段を通り、サンプルを模した一辺30ミリメートルのアクリル製立方体を回収。そしてスタート地点まで戻るまでが課題だ。与えられた競技時間は10分間。前回、貫通孔(筒)の口径が小さいルートと大きいルートを選択できたが、今回は大きなものに絞られた。また観客からも見やすくなるように、回収対象物も体積比で9倍大きくなった。高放射線量下での作業が念頭にあるため、ロボットは有線での遠隔操作。操作者は青いパーティション裏から操作する。

【最優秀賞にはタイ高専】


 今回初めて海外からの参加チームが最優秀賞を獲得した。タイ高専チームは今回の大会で唯一、ロボットの帰還までを達成した。階上からアームを伸ばし、サンプルの回収を行う小型機を階下に下ろす仕組みのロボット。アームを伸ばす姿をタイの象徴的な動物「ゾウ」に重ね「ElEPAHANT・象」と名付けた。海外からの参加ということで、輸送コストなどから比較的小型のロボットを製作することも念頭にあったそうだ。受賞後チームリーダーのパワリス・ヌーヴォンさんは「本番はどうなるか心配だったがほっとしている。最優秀賞をもらえてうれしい」と話した

≪ 前へ 1 2 3 4