経済産業省・資源エネルギー庁は31日の有識者会合で、2026年度夏季に東京エリアの予備率が1%を下回る見通しを示した。大型火力発電所の補修停止や休止が重なり、現時点の速報値では10年に1度の猛暑を想定した最大電力(H1)需要に対する予備率が8月に0.9%まで低下する。エネ庁は速やかに26年度夏季に向けたキロワット公募を実施し、120万キロワットの追加供給力を確保する方針を示した。

 26年度は複数の大型火力が年間を通じて補修停止するほか、一部休止も重なり、供給力は25年度から約256万キロワット減少する。需要は東京エリア単独でシミュレーションすると同約125万キロワットの増加。予備率は同6.3ポイント低下する。これを踏まえ、電力広域的運営推進機関(広域機関)が需給状況の精査を進めるのと並行し、準備が済み次第、3年ぶりとなる夏季のキロワット公募を行う。

 エネ庁は今後非効率石炭火力などの休廃止が進む一方、長期脱炭素電源オークションによる新規LNG火力などの稼働は29年度以降になると指摘。30年代初頭にかけて「電源移行の過渡期」となり、夏冬に厳しい電力需給となる可能性があるとした。

 こうした状況も考慮し、今後容量市場や予備電源制度といった既存の仕組みの見直しや短期の追加供給力調達の在り方なども検討していく。

 一方、25年度冬季の需給については厳寒H1需要に対する予備率が1月の東日本と中部エリア、2月の東日本で4.8%を見込んでいる。予断を許さない厳しい需給状況としつつ、最低限必要な予備率3%は上回るため事前の節電要請は行わない。

 ただ、電源トラブルなどで大きく供給力が不足する場合は補修調整などを実施。需給状況の監視や緊急時の追加供給力対策、需給逼迫注意報・警報の発令などで対応する。

電気新聞2025年11月4日