
次世代エネルギーの水素に対する需要をいかに創出するか、日本を議長国に各国で議論する「水素閣僚会議」が15日、大阪市で開かれた。発表した議長サマリーでは、世界的なインフレの影響で「水素供給コストが化石燃料価格に比して高水準にとどまり、オフテイク契約の確保に難航している」と現状を指摘。コスト低減により、需要創出を加速する重要性を訴えた。
欧州など約30カ国が集まった会議で、武藤容治経済産業相は「政策の不透明性やインフレによるコスト増加で、水素投資に逆風が吹いている」と言及。水素やアンモニアと既存燃料との価格差を補う支援に、日本は15年間で3兆円規模を充てる計画に触れ、「先陣を切って需要を創出する」と述べた。
サマリーでは、低炭素水素の生産量が2030年までに3700万トンに達すると見込む国際エネルギー機関(IEA)のリポートを紹介。そのうち、稼働中か最終投資決定(FID)済みのプロジェクトから生産される低炭素水素の量は、420万トンと予想する。オフテイクを促す政策が実施されれば、30年までにさらに600万トンの生産プロジェクトが稼働する可能性があるとした。
水素の取引規模が拡大すれば、供給コストが下がり、需要が創出される好循環を生み出せるため、サマリーでは各国が支援策を講じる必要性を強調。一足飛びに事業の脱炭素化が難しい鉄鋼などの産業による需要増、規制、規格などの面での国際協調も重要とした。
日本とブラジルが共同議長を務める持続可能燃料閣僚会議も同日、初開催。液体バイオ燃料、バイオガス、低炭素水素、合成燃料や合成メタンを含む水素由来の燃料など、持続可能燃料拡大に向けた協力について議論した。共同議長サマリーでは、持続可能な燃料の生産と利用を、35年までに24年比で少なくとも4倍の27エクサジュール(エクサジュールは10の18乗ジュール)にする目標を掲げた。
◆メモ/水素閣僚会議
経済産業省がエネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開く「東京GXウィーク」が15日、開幕した。大阪・関西万博と連携して大阪市内で同日開催した持続可能燃料閣僚会議、水素閣僚会議もその一環。10月3日にはG20(20カ国・地域)の研究機関の連携枠組み「RD20」の第7回国際会議(リーダーズ・セッション)が茨城県つくば市内で、10月8、9の2日間はイノベーションで気候変動問題の解決を図る国際的プラットフォーム「イノベーション・フォー・クールアース・フォーラム(ICEF)」が都内で、10月10日はカーボンリサイクル産学官国際会議が大阪市内でそれぞれ開かれる。
電気新聞2025年9月17日





