
水電解装置の受電量の上げ下げを調整力として需給調整市場に応札する山梨県などの取り組みに、ホンダが連携する。二輪・パワープロダクツ事業本部(埼玉県朝霞市)に設けた蓄電池が、日々稼働状況が変化する水電解装置と連動する。試験では適切に調整力を供出しており、夏にも初入札する予定だ。需要家設備を需給調整市場のリソースとして扱うのは初とみられる。山梨県などはホンダとの事例を足がかりに、連携事業者を広げ、需給調整市場への供出量を増やしていきたい考え。
山梨県、東京電力エナジーパートナー(EP)、エナジープール・ジャパン(東京都港区、市村健社長)は、甲府市の米倉山太陽光発電所に隣接する水電解装置を用いて、調整力を供出する。4月から入札条件が緩和された1次調整力のオフライン枠に入札する。
水電解装置の稼働状況によって供出できる調整力は、日々異なる。そこをホンダが持つ蓄電池と連携して、市場に応札しやすくする。
二輪・パワープロダクツ事業本部の敷地内にある容量693キロワット時の蓄電池と連携することで、1500キロワットまで調整力を出せる見通し。
同事業本部の蓄電池は、もともと東電EPが設置を提案した。ホンダは蓄電池ソリューションのうち、最大電力を抑えるピークカットに生かそうと、2023年7月に設置した。この後に2ステップ目として蓄電池を用いたデマンドレスポンス(DR)も始めたが、3ステップ目として需給調整市場への応札に乗り出す。
山梨とホンダをつなぐのは、エナジープールジャパンの技術。調整力を判断する通信装置が供出量を決めて、応札する。「欧州で培った技術であり、離れた場所にある需要家リソースのシンクロナイズを可能とした」(市村社長)。
東電EPとしてはホンダで実績を作り、束ねる設備数、容量の増大を目指したい考えだ。これまで大規模電源が担ってきた需給調整を、需要家設備の集合体が担当できる環境を作り出す。
初入札を見込むのは今夏。既に応札に関する東京電力パワーグリッド(PG)の技術確認は終えており、現在は応札に向けた調整の最終段階に入っている。初応札の後も蓄電池の稼働状況をみて、最適な応札の形を探っていく。
電気新聞2025年7月1日





