NTT西日本、NTT、QTnet(福岡市、小倉良夫社長)は11日、離れたデータセンター(DC)間で処理作業を融通し、再生可能エネルギー由来の電力を効率的に使うことに成功したと発表した。光技術で超低消費電力化、超高速処理を実現するIOWNオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を活用。再エネが余っている地域へ処理作業を移して再エネの利用率を高め、DCの環境負荷低減につなげる。

 AIやIoTなどの需要拡大でDCは増加傾向にあり、DCでの電力消費量も膨らみ続けている。2022年度には80億キロワット時程度だったが、30年度に170億キロワット時、50年度は412億キロワット時に達すると見込まれる。

 環境対策として再エネの導入拡大も求められるものの、系統安定化の観点から簡単には増やせない。国内で出力制御されている再エネ由来の電力量は年間約19億キロワット時にのぼる。

 これらに加え、災害時のリスク軽減に向けたDCの分散化も大きな課題となっている。

 3社はIOWN APNを生かした処理作業の分散により、再エネ利用の効率化とDCの分散化を両立する実証実験を行った。

 約600キロメートル離れた福岡と大阪のDC間をIOWN APNで接続。生成AI(人工知能)やアプリケーションによる処理作業をNTTの独自技術で振り分けた。

 同技術は、独自のアルゴリズムにより、再エネ発電量やDCの電力利用量に応じ、30分サイクルで最適な振り分けパターンを算出する。1日分の振り分けを2分以内で完了でき、3カ所以上のDCへも振り分けられるという。九州で再エネ出力制御が発生した日のデータに基づき実証したところ、均一に処理作業を分散させる方式と比較し、福岡のDCでの再エネ利用率が最大31%向上した。

 3社は今後もユースケース実証や技術開発を進めていく。

電気新聞2025年6月12日