
電力広域的運営推進機関(広域機関)は13日、2025年度(第3回公募)の長期脱炭素電源オークション約定結果を公表した。約定総量は脱炭素電源が前年度比15.3%減の426万1千キロワット、LNG専焼火力の約定量は同2.3倍の303万8千キロワットだった。入札上限価格引き上げなども影響し、他市場収益控除後の約定総額(1年当たり)の最大は脱炭素電源が同2.2倍の3503億円、LNG専焼が同4.5倍の870億円の見込みとなった。
25年度の公募では脱炭素電源の募集量を前年度と同じ500万キロワットに設定したが、約定量はこれを下回った。落札電源のうちリチウムイオン電池と新設を除く揚水が計81万9千キロワット、それ以外の蓄電池と新設の揚水が計88万6千キロワット約定した。
脱炭素火力はアンモニア混焼への改修と水素専焼が計51万7千キロワット約定している。既設原子力の安全対策投資の約定量は前年度の315万3千キロワットから大幅に減少し、55万8千キロワットにとどまった。
一方、別枠となるLNG専焼火力の募集量は、前年度の未達分も考慮して293万キロワットに拡大している。25年度は応札も計475万キロワットと大幅に増加し、落札率は64%となっている。
また、25年度の公募では足元の事業環境などを踏まえ、電源種によって異なる入札上限価格の許容範囲を引き上げた。これが応札価格に反映されたことに加え、LNG専焼火力は約定量が大幅に増加したこともあって前回に比べて約定総額が膨らんでいる。
応札量の合計は前年度より276万3千キロワット減少し1085万6千キロワットとなった一方、落札率は20ポイント上昇して67%だった。落札容量をエリア別にみると、東北(196万6千キロワット)、東京(182万2千キロワット)、九州(121万1千キロワット)の順に多い。関西は184万4千キロワットの応札があったが、落札は13万1千キロワットにとどまった。
◆辞退者の再落札も
電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表した過去2回分の長期脱炭素電源オークションの資料によると、4月23日までに3事業者の電源が落札を辞退していた。いずれも既設火力を水素、アンモニア混焼に改修する案件。供給開始までの計画の見通しが立たないことなどが理由だが、このうち2事業者については辞退した電源を第3回オークションで再落札している。
アンモニア混焼への改修では、神戸製鋼所グループのコベルコパワー神戸が運営する神戸発電所1号機(容量13万1433キロワット)と四国電力の西条発電所1号機(同9万4600キロワット)、水素混焼への改修ではCEFH2(東京都千代田区、鎌田宏之代表取締役)の三池発電所(同5万5300キロワット)が辞退していた。
応札時に設定した供給開始時期などの見通しが立たなかったとみられる。辞退する場合はペナルティーがあるが水素、アンモニアのサプライチェーン支援制度などの適用が決まらない場合などは免責対象になる。
第3回オークションでは神戸発電所1号機が同じアンモニア混焼への改修で再応札し、同規模の容量で落札している。三池発電所は水素専焼への改修で容量14万6400キロワットで落札している。四国電力はサプライチェーンの構築などが当初計画通りに進められない見通しになったため辞退した。ただ西条発電所1号機のアンモニア混焼導入に向けた検討は続ける。
電気新聞2026年5月14日





