電力広域的運営推進機関(広域機関)が18日に開いた有識者会合で、ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電設備の新設にかかる費用が10年前から倍増したことが明らかになった。広域機関は最新のコスト検証結果などを基に、容量市場で電源の新設を促すのに必要とされる指標価格(ネットコーン)を試算。現行の1キロワット当たり約1万円が同2万円に上昇した。今後、国の審議会とも連携して制度見直しを検討する。
ネットコーンは容量市場で価格や調達量を左右する需要曲線を設定する基準になる。経済産業省・資源エネルギー庁は2024年度入札で約定・応札価格が上昇傾向だったことも踏まえ、26年度からの反映を目標に見直す方針を示していた。
現行のネットコーンは、15年に総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)発電コスト検証ワーキンググループ(WG)が公表したGTCCのモデルプラントの数値を基にしている。
今回、広域機関は25年の同WGの公表値や直近の経済指標を用いて仮算定。建設費が1キロワット当たり12万円から26万8千円へ上昇し、修繕費も大きく膨らんだ。近年の物価上昇などが背景にあるとみられる。
ネットコーンが同2万円の場合、容量市場の上限価格は1.5倍の同3万円となる。
ネットコーンについては広域機関が進めている容量市場の「包括的検証」で行った聞き取りでも、最新の諸元を反映すべきとの意見が寄せられた。欧米でも過去1~3年でネットコーンが設定された国・地域では日本より高い傾向がある。
会合では見直しに当たり、ネットコーンだけでなく約定処理や上限価格の設定方法も含めて検討すべきとの意見も出された。今後、容量市場の包括的検証や国の審議会での議論なども踏まえ、見直しの方向性が示される見通しだ。
また、容量市場開設後初の実需給となる、24年度の容量供出金の未回収分や経済的ペナルティー金額の年次精算実績についても報告された。
小売電気事業者への追加請求となる未回収分は総額約107万円、還元となる経済ペナルティーの回収分は総額約484億3711万円(ともに税抜き)。滞納者には引き続き支払いを求める。
電気新聞2025年12月19日





