新潟県向けの支援策を説明する小早川社長

東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は16日の新潟県議会で、同県の産業・地域活性化、防災支援に向けて総額1千億円規模の資金を拠出する考えを表明した。10年程度にわたり資金を拠出し、新事業創出、避難場所の整備などに利用してもらう。同発電所1、2号機の廃炉を検討する方針も提示した。これらの取り組みで新潟県から柏崎刈羽原子力発電所の再稼働で同意を得たい考え。

 小早川社長は詳細な資金適用先は「今後新潟県と協議する」としたが、「安心安全につながる事業や成長が期待されるグリーントランスフォーメーション(GX)関連」を例示した。除排雪設備の整備なども念頭にあり、使い方は「新潟県に裁量がある」と話した。

 同発電所の1、2号機の廃炉に向けた検討に入る方針も示した。廃炉は新潟県柏崎市の櫻井雅浩市長が求めており、1サイトに7基が集中立地するリスクを懸念している。小早川社長は廃炉の検討は「6号機の再稼働後、1年半程度かかる」「解体工事は30~40年」との見通しを示した。廃炉費用の総額は2023年度時点の概算で、「1号機で823億円、2号機で735億円」と提示した。

 新潟県議会の高橋直揮議員(自民党)は、1千億円とした資金拠出の規模について質問。小早川社長は、再稼働で火力燃料の調達費用削減が見込まれるとして、その収支改善の状況に応じて「拠出していきたい」と話した。

 経済産業省・資源エネルギー庁の村瀬佳史長官も説明した。避難路整備に関する費用の全額支援を約束しているが、「県と相談しながら速やかに進めたい」と話した。

 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題を巡っては、新潟県が再稼働の懸念点や安全対策の認知度を聞き取る県民意識調査を行っていた。10月末に最終結果が出る見通しのため、花角知事が再稼働を判断するのは11月以降になるとみられている。

電気新聞2025年10月17日