西崎安全規制管理官(左)から許可書を受け取る勝海氏(30日、東京・六本木)

 原子力規制委員会は30日、北海道電力泊発電所3号機について、申請内容が新規制基準に適合しているとして、原子炉等規制法に基づく原子炉設置変更許可を交付した。同日に開いた定例会合で、全会一致で審査書を決定した。全国18基目、PWR(加圧水型軽水炉)に限れば13基目の合格プラントとなる。北海道電力が目指す2027年のできるだけ早期の再稼働に向け、今後の焦点は新設する防潮堤など安全対策工事の進捗と地元同意に移る。

 泊3号機は、4月末に新規制基準への適合を示す審査書案が取りまとめられていた。その後は、パブリックコメント(意見募集)と原子力委員会・経済産業相への意見聴取を実施。定例会合では、敷地内や積丹半島北西沖の断層評価の妥当性に関する意見など143件が寄せられたことが報告されたものの、審査書案に記載の細かな適正化以外の変更はないと結論付けた。

 泊3号機は、新規制基準が施行された13年7月8日に適合性審査を申請。審査は、敷地内の「F―1断層」の活動性を巡って議論が長期化した。当初申請で年代評価の根拠としていた火山灰層の消失が発覚したため、北海道電力はF―1断層の開削調査を実施。データを拡充するとともに評価方法も変更することで、活動性がないことが認められた。

 規制委からの指摘を踏まえ、積丹半島北西沖を活断層と仮定して再評価し、基準地震動(Ss)と基準津波を見直したことも長期化の要因となった。耐津波設計に関わる燃料等輸送船が漂流物化する可能性への対策としては、敷地外に荷揚げ場を設けることで議論が収束した。

泊3号機の新規制基準適合性審査を巡る動き

 審査・検査関連で再稼働までに残るステップは、設計・工事計画認可(設工認)と保安規定変更認可の審査、使用前事業者検査、使用前確認がある。既に北海道電力は、7月上旬に全6回を予定する設工認の補正の初回申請を実施。強度評価や耐震評価を着実に進め、早期の認可取得を目指すとしている。このほか、特定重大事故等対処施設(特重施設)の審査も今後本格化していく見通し。

 定例会合後には、原子力規制庁の西崎崇徳・安全規制管理官が北海道電力の勝海和彦取締役・常務執行役員に許可証を手渡した。勝海常務は報道陣の取材に対し、今回の許可により「世界最高水準の安全性を目指していくという思いを新たにした」と強調。再稼働実現に向け、対策工事などに「安全第一で取り組んでいきたい」と決意を述べた。

電気新聞2025年7月31日