電力広域的運営推進機関(広域機関)の有識者会合は25日、2040年、50年を想定した電力需給シナリオをまとめた。50年の年間需要電力量が約9500億~1兆2500億キロワット時となるモデルシナリオを策定。需要が最大のシナリオでは、原子力・火力発電所の更新の進み具合によって、供給力が2300万~8900万キロワット不足する可能性が示唆されている。今回のシナリオは将来の電源確保に向けた検討などで活用され、3~5年ごとに見直す方針。
同日、「将来の電力需給シナリオに関する検討会」(座長=大橋弘・東京大学大学院教授)で報告書案が了承された。
同検討会では需要について40年で2点、50年で4点のモデルケースを設定。供給力も原子力、再生可能エネルギー、蓄電池、火力の二酸化炭素回収・貯留(CCS)、脱炭素化それぞれで複数ケースを想定した。
これらを組み合わせたモデルシナリオを40年で4点、50年で16点策定した。
電源建設を促す政策措置や長期的な調整力確保、需要・電源のエリア偏在を考慮した連系線整備、需要想定・供給力管理など、幅広い関係者が目的に応じたシナリオを選定して活用することを想定している。
各シナリオを踏まえて行った将来の需給バランス評価では、データセンターの新設などで需要が大きく伸びた場合、仮に原子力・火力の更新で現在の設備容量が維持されても、需給が最も厳しくなる夏場の夜間は供給力が8900万キロワット不足する結果となった。5月の会合では不足量を8300万キロワットと算定していたが、外気温の高い夏場にLNG火力の出力が下がる影響を織り込んだ。
また、いずれのシナリオも再エネが大幅に拡大する一方、火力の設備利用率は50%を割り込み低迷する。電力量(キロワット時)の販売による収益確保がさらに難しくなる中、いかに新設投資を促すかも深刻な課題となっている。
電気新聞2025年6月26日





