福島県内の復興に向けた状況/インフラ整備など着々

2017/08/08

 この春、避難指示が解除された福島県内の4町村では、病院や商業施設、公共施設など生活インフラの整備が進んでいる。常磐線は、現在不通となっている竜田~富岡駅間も9月14日に試運転を始め、10月21日に再開する予定だ。

 福島復興を加速させるための「改正福島復興再生特別措置法」は5月に施行された。帰還困難区域に、除染やインフラ整備を集中的に行う「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)を整備し、おおむね5年以内の避難指示解除を目指すことなどが柱。今後、各市町村による復興拠点整備計画の策定作業が加速するとみられる。

 福島県内の除染に伴い発生した土壌や廃棄物等を最終処分までの間、集中的に貯蔵する中間貯蔵施設(福島県双葉町、大熊町)の「受け入れ・分別施設」も試運転を開始した。中間貯蔵施設の整備により、除去土壌の搬出などが早期かつ安全に行われるようになるとの期待がある。

 風評・風化対策では、県が全国新酒鑑評会で5年連続日本一となった日本酒や柿、桃などの県産品の魅力発信に取り組んでいる。柿や桃は東南アジアで輸出が拡大しており、県は引き続き販路拡大を模索する。

 一方、中長期的な福島の復興に向けては、失われた産業基盤の再構築と新たなまちづくりを進める「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」の動きが具体化している。

 国内外の機関が結集して廃炉、環境修復、農林水産などの教育・研究を実施する「国際産学連携拠点」については、日本原子力研究開発機構が4月に、廃炉国際共同研究センター・国際共同研究棟(富岡町)の運用を開始した。

 物流やインフラ点検、大規模災害などに対応する陸・海・空のロボットを対象として、様々な試験を行う「ロボットテストフィールド」については、南相馬市と浪江町に設置されることが4月に決まった。

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