イラン情勢の緊迫化により原油価格などが上昇する中、電力中央研究所は家庭用電気料金への影響を試算した。経過措置料金を対象に統計モデル分析した結果、2027年3月の料金単価は26年1月時点に比べ、大手電力10社の加重平均で2.1円程度上昇する可能性があることが分かった。

 電中研は北海ブレント原油先物を指標とし、原油とLNGのCIF価格、家庭用電気料金へ与える影響をシミュレーションした。

 北海ブレント原油先物が変動すると、原油CIF価格は1~4カ月後、LNGCIF価格は4~8カ月後に影響が表れる。こうしたCIF価格の変動は燃料費調整制度により3~5カ月後の家庭用電気料金に反映される。

 26年1月を基準月として燃調単価の変化額をみると、9月までは為替変動が主因となるが、10月以降には原油価格上昇の影響が大きくなる。27年3月には、基準月に比べ2.1円ほど上がる推計となった。社会経済研究所の筒井美樹副研究参事・研究推進マネージャーは「石炭の高値や原油価格のさらなる高騰といった条件が加わると、電気料金の一層の上昇も予測される」と指摘する。

 原油価格の高騰が継続すれば、複数の会社で燃調上限の突破が見込まれる。政府の補助が議論される可能性を踏まえ、筒井氏は「制度的・政策的補助と(電力会社負担分の)重複を回避するため、燃調上限撤廃などの対応が必要ではないか」と提言する。

電気新聞2026年5月28日