自民党は9日、日本成長戦略本部(本部長=岸田文雄元首相)の会合で、労働市場改革や人材育成に関する提言案を議論した。建設や保安の現場の担い手を確保・育成するため、官民連携して処遇改善などの取り組みを強化する必要性を唱えた。ICT機器による省力化投資を調査設計から工事施工まで幅広く進めることも訴えた。建設分野にAI(人工知能)・ロボットを導入して生産性を向上し、現場の魅力向上を図ることも重要とした。
政府は高市早苗首相の看板政策である危機管理投資と成長投資を17の戦略分野で進める方針だ。投資を進める上で、人材育成はスタートアップやサイバーセキュリティーなどと並び、分野横断的な課題と位置付けて対応する構えだ。
自民の提言案では戦略17分野の投資を加速するため、工場建設などを担う人材の育成・確保が不可欠と強調した。まずは、建設分野で取り組みを具体化すると明記した。その上で、戦略17分野とその他のエッセンシャルサービス分野に取り組みを横展開する。
電気、ガスなど産業保安を含む建設分野の担い手を確保するため、官民が連携した施策の強化を訴えた。経済産業省の保安に関する有識者会合では4月、委員の澁谷忠弘・横浜国立大学教授が保安分野への革新技術導入に向けて「民間と官の間ですり合わせて工程表を含めて議論し、産業保安の技術を高める仕組みをつくるのが重要だ」と唱えていた。
自民の提言ではICT機器による省力化投資やAI・ロボットによる生産性向上を進めるべきとした。ゼネコンやサブコンといった建設業界で幅広く導入することが必要だとした。処遇改善も発注者・元請け・下請けの間での取引適正化を進めるとした。
国土交通省によると、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2025年に3割減の478万人まで減少。技能者も同期間で455万人から35%減の296万人に落ち込んだ。国交省は就業者の高齢化進行によって次世代層への技術承継が大きな課題と認識している。
電気新聞2026年4月10日





